区のお知らせ「せたがや」1994年6月1日版の「世田谷この人」の掲載記事

「世田谷がベース だからまちづくりも特別なことではありません」
豪徳寺1丁目 奥村麻季さん
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 住民主体のまちづくりを支援する公益信託「世田谷まちづくりファンド」−まだまだ出発したてで基金も人手も足りません。
 協力スタッフとして飛び込んだ奥村さんは、携帯電話の代理店を経営しながら、CMにも出演しているマルチ人間。「昨年9月、協力スタッフ募集の記事を「区のお知らせ」で見たとき、何をするのかよくわからなかったけれど、とにかく人を求めているんだなって。それに、行政の押しつけではなく、普通の人の意見の場があることに魅力を感じたんです。   
  コンペで決まった、雲のように描かれた清掃工場の煙突−あれっていいですよね。世田谷に生まれ、学校も仕事も世田谷でしょ。少しでも暮らしやすくなればと思って」まちづくりの専門家ではありませんが、生活者として感じることはいっぱいあるようです。「きれいな歩道も、地名が変わると普通のガードレールになったり。自宅の角のカーブミラーは、トラックの車体が当たってよく壊れるんですが、同じ位置につけ替えるからまた壊れてしまって。住民と行政の間にはやはり距離があるんでしょうね」   さまざまな人が参加し、知恵を出し合っている世田谷のまちづくりの現場。わかってもらうくふうに全力を尽くすCMの現場から、奥村さんがまちづくりに目を向けると−「とにかくまちづくりファンドを知らせることが第一。区内企業のアンケート調査も回答率が2%。広告戦略が必要だと思います。   
  区内で割り引きのきく"クレジットカード"を発行して、それで基金の収入を得る方法もあります」現在、7月15日の全国のシンポジウムにあわせて、グッズ開発に奮闘中。近所の人にも来てほしいから、"きんちゃく袋"を作ります。  楽しそうに語ってくれた奥村さん。世田谷のまちづくりにも新風を吹き込んでくれるでしょう。