住民基本台帳ネットワークシステムの稼動延期を求める申入書

 平成11年8月の住民基本台帳法の改正によって成立した住民基本台帳ネットワークシステムは、一次稼動開始が8月5日に迫り、7月22日からは仮運用が始まりました。 住民基本台帳ネットワークシステムは、提案当初から個人情報の漏洩に伴うプライバシー侵害の危惧が指摘され、当時の小渕総理は、住民基本台帳ネットワークシステムの稼動は個人情報保護法の制定が前提と明言していました。 平成11年の国会審議では、「利用目的を厳格に審査し、システム利用の安易な拡大を図らない」と付帯決議し、「個人情報の保護に万全を期す」と法に明記されることになったという経緯もあります。
しかし、法の施行以前の段階で個人確認情報の利用できる事務が大幅に拡大され、今国会では個人情報保護法の成立は断念されることとなりました。このような状況の中この制度をスタートさせる事は、区民の不安をあおるだけでなく、今稼動させる明確な理由も見えず、理解も得られないのではないかと考えます。  以上の問題から、個人情報保護の制度が無いままの住民基本台帳ネットワークシステムを8月5日から一次稼動することを延期するよう申し入れます。 尚、区として一次稼動の凍結を国に働きかけるよう要望いたします。 また、区民の安全安心を守る観点から、住民基本台帳に関する個人情報保護に関する条例の早期制定の実現を求めます。
平成14年7月23日
民主党・無所属クラブ  幹事長 高橋忍  
生活者ネットワーク世田谷区議団  幹事長 西崎光子
社会民主党世田谷区議団  幹事長 羽田圭二
世田谷区長 大場啓二殿