単位制高校Q&A

(中学生のみなさん・保護者の方々の質問に答えて)
2003年4月開校 世田谷地区単位制高校(仮称)開設準備室

 中学3年生の皆さん、保護者の皆様こんにちは。世田谷地区単位制高校(仮称)開設準備室が設置されてから早1年が過ぎ、来年度4月の開校まで残すところ後10ヶ月となりました。昨年度は11月から1月にかけて都内公立中学校209校を訪問させていただき、新校のパンフレットをお渡ししましたが、ご覧いただけたでしょうか。
  さて、昨年作成したこの単位制高校Q&Aですが、このたび準備作業の進捗に伴い内容を一部改訂いたしました。パンフレットとともにお読みいただき、少しでも世田谷地区単位制高校に関心を持っていただけたら幸いです。

T単位制高校とは・・・ U 教育課程について・・・
V 入試に関連して・・・ W 進路に関連して・・・
X 特別活動について・・・ Y 学校生活について・・・
Z 施設設備について・・・ [ 最後に・・・

T単位制高校とは・・・

1.単位制高校とはどういう高校なのですか?
 高校は基本的に単位(1週間に1時間の授業を1年間受けると1単位)を修得し、学校が定めた単位数以上の単位を修得することで卒業できるシステムになっています。 ほとんどの都立高校が採用している「学年制」は、それぞれの学年でとらなければならない科目や単位数がほとんど決まっていて、決められた科目を勉強し、その学年でとるべき単位数がとれないと次の学年に進めないシステムです。 これに対し新しいタイプの単位制の高校では、入学して1年目の生徒を1年次生、2年目の生徒を2年次生と呼ぶことはありますが、学年という概念がありません。入学した生徒は3年以上(通常は3年)在籍し、「単位」を74以上修得すれば卒業が認められます。1年次の選択科目はあまりありませんが、2年次以降は多くの選択科目の中から自分の能力・適性・興味・関心に合わせて科目選択ができます。また、習熟度別の授業や少人数での授業が増えるので、きめ細かな指導が受けられることが特長です。2年次生と3年次生が一緒に学習する科目もあります。
2.単位制高校のメリットは何ですか?
 進路希望や興味・関心に応じて多くの選択科目の中から自分で必要な科目を選択し、自分だけの時間割を作れる点です。学年制の高校でも選択科目はありますが、授業の多くは学校で決められた科目です。世田谷地区単位制高校では、主に2・3年次を対象に100科目程の選択科目が開講されます。例えば英語の選択科目では、時事英語や英語プレゼンテーション、また英検資格の取得を目的にしたものや、難関大学の入試問題演習を行うものなど他の高校にはあまりみられないユニークな科目も開講されます。
3.単位制高校はどのくらいあるのですか?
  単位制高校は、法律の改正によって昭和63年に初めて3校が設置されました。最初は定時制課程と通信制課程だけでしたが、平成5年に全日制課程に拡大され、年々増え続けています。現在、定時制課程や総合学科の高校を含めると、単位制高校は全国に約400校あります。全日制普通科の単位制高校に限れば、平成13年度末で全国に50校以上あり、都立高としては飛鳥高校と墨田川高校と国分寺高校の3校があります。今後平成19年度までに、本校を始め都内に10校の全日制普通科単位制高校が開校する予定です。
4.世田谷地区単位制高校はどのような新しいタイプの高校なのですか?
  新しいタイプの学校として、総合学科高校やチャレンジスクール、単位制高校等が誕生しています。総合学科高校は普通教育と職業に関する学科(商業科や工業科など)の専門教育を総合的に行う高校。チャレンジスクールは定時制課程希望でも昼間に学校に行きたい人や自分のペースでじっくり学びたい人のための昼間定時制の高校です。 これに対して、世田谷地区単位制高校は全日制普通科単位制の学校で、定時制はありません。普通科ですから科目は普通教育に関する教科(国語・地理歴史・公民・数学・理科・保健体育・芸術・外国語・家庭・情報)の科目が主となります。

このページのトップへ

U 教育課程について・・・

5.時間割はどのようになりますか?
  8時30分始業で1単位時間は45分、2単位連続授業を多く取り入れ、効率的に授業時間数を確保する計画です。学校五日制完全実施により週当たりの時間数が減少し、十分な学習時間を確保できるかが懸念されていますが、本校では前期・後期の2学期制の採用により授業時間を十分に確保するとともに、曜日により7時間目をおき、週32から33時間授業を行う計画です。このほかに、英語以外の外国語(フランス語、中国語など)も開講する予定です。
6.どんな科目があるのですか?
  本校では、別紙の学校案内に紹介した必履修科目や共通履修科目などのほかに、以下のような特色ある 自由選択科目を多数予定しています。自分の興味・関心や進路希望に合わせて多様な科目から選択して学 習できるのは、単位制高校の大きな特長です。

特色ある講座の例(予定)
探求源氏物語 古典講読 小論文 古典演習 漢文演習 古文演習 現代文演習 世界史演習 日本史演習 地理演習 倫理演習 政治経済演習 時事研究 数学T演習 数学基礎 数学V 数学C 数学TU演習 数学B発展 数学C発展 物理U 化学U 生物U 地学U 物理演習 物理基礎演習 化学演習 化学基礎演習 生物演習 生物基礎演習 地学演習 探求理科  スポーツU・V フィットネス ソルフェージュT・U アンサンブル デッサン  ハイレベル英語 英語読解演習 実用英語中級 実用英語上級 OCU 時事英語 異文化理解 プレゼンテーション LL演習T・U フランス語T・U スペイン語T・U 中国語T・U  被服製作 フードデザイン 発達と保育 児童文化  ・・・ etc.
7.生徒はどうやって履修科目を決めるのですか?科目を決めるのはいつですか?
 1年次前期に「キャリアガイダンス」という授業を履修します。この時間は自分の個性や能力・適性を見出したり、自分を生かすことのできる情報を得たり、2年次以降どのように科目選択をしていくかについて、具体的に検討していく時間です。いろいろな専門分野で活躍する方の講演を聴いたり、自分自身を知り、その自分を生かすためにどのような職業があるのか情報を収集したり、どのような生き方をするか等の課題について考え、また友人と話し合う場にしたいと計画しています。 履修科目を決定するための資料として、全員に履修のしかたや各講座の内容・評価基準等を詳しく解説した「シラバス」(授業案内)という冊子を配布します。前期末(9月末)に次年度以降の履修計画を提出してもらい、3年次分は2年次前期末に再度調整をする予定です。
8.授業は難しいのですか?
  単位制高校だからといって、特に授業が難しいというわけではありません。数学や英語は苦手だという人も多いと思いますが、2クラス80人を3つのグループに分けて授業を行う習熟度別クラス編成を計画していますので、自分の理解度に合わせて授業に参加することができます。また2年次3年次の授業はほとんどが少人数授業や自由選択科目となり、目的意識をもった学習となるため、内容のレベルアップにも余裕を持って対応できると考えています。

このページのトップへ

V 入試に関連して・・・

9.募集人員は何人ですか?
  また入試の方法はどのようになりますか? 1年次生は240人募集で、男女別の定員はありません。平成15年の1月30日に行う推薦入試で定員の5割、2月20日に行う一般入試で残りの5割を決める予定です。試験科目や面接・作文の有無など具体的な方法は、平成14年10月頃に公表されますので、10月以降に実施される学校説明会で詳しくお話しいたします。
10.どのくらいの成績で入学できるのでしょうか?
  合格者は、受検した生徒の中から、各学校が定める選抜方法によって決まります。既設校の場合は、過去の入学者選抜に関するデータが、中学生向けの受験情報誌等に記載されているようですが、本校の場合は初めての入学者選抜ということもあり、どのくらいの成績で合格できるかは、入学者選抜を行ってみないとわかりません。
11.平成14年度から中学校の評価の基準が変わりますが、内申書の扱いはどうなりますか?
 
平成14年度から中学校で新学習指導要領が実施されることに伴い、次の3点が改善されます。
 (1)調査書の評定を「集団に準拠した評価(相対評価)」から「学習指導要領の目標に準拠した評価(絶対評価)」に改める。
 (2)すべての都立高校等が使用する選抜資料に、調査書や学力検査の他、志願理由書(「自己PRカード(仮称)」)を加える。
 (3)受検者が自己PRを書く際の参考となるよう、すべての都立高校等は「学校の特色に基づく期待する生徒の姿(仮称)」を受検者に示す。   
  この調査書の取り扱いについては、「総合的な学習の時間」及び「選択教科の内容」が新設されたほか、従来通り、中学校3学年の各教科の評定を調査書点として換算することとなっています。なお、平成15年度都立高等学校等入学者選抜における改善内容は7月までに正式発表されます。

W 進路に関連して・・・

12.進路指導はどのように行われますか?
  進路希望をどう実現するかは、高校でどのような学習を行うかにかかっています。したがって、単位制高校における進路指導はどのような科目を選択履修するかについての指導と直結しています。これについては7に書きましたが、「キャリアガイダンス」という授業を実施し、選択履修についての相談や進路指導を一貫して行う担当分掌を設ける予定です。
13.大学に進学するにはどのくらい勉強すればいいのでしょうか?
  勉強にこれだけやれば十分というものはありません。言い古されたことですが、毎日の授業を大切にして、一歩一歩努力することが結果的には一番の近道になります。 本校では、大学入試センター試験や国公立大学二次試験にも対応したカリキュラムが組まれています。 このように、高い目標をもった人の進学希望にも十分応えることができる体制を整えています。

このページのトップへ

X 特別活動について・・・

14.行事はどういうものを計画していますか?
  文化祭、体育祭、球技大会はもちろんのことHR合宿、合唱祭、修学旅行等を通じてクラス単位を中心とした生徒相互の連帯感を深め、高校生活を豊かにすることができるような行事を積極的に取り入れていこうと考えています。また、進路関係の行事では進路適性検査、進路講演会等の行事も予定しており、進学希望の生徒のためには夏休みに学習合宿の計画もあります。
15.部活動はどういうものがあるのですか?
  新しくできる学校なので、現在のところは未定です。ただし、本校にいる先生方の中で創りたいと思っている部活動と新入生が創ってほしい部活動についてはあらかじめ設立する予定です。また、熱心な先生方が他校にない部活動の設立を計画しています。本校では部活動にも力を入れていきますので、新入生には部活動に入るように指導をしていく予定です。
16.最初はどのように部活動を始めるのですか?
 
最初から設立されている部活動については、人数が集まり次第、活動は可能です。それ以外の部活動については人数を集め、顧問の先生方が決まり次第、活動を始める形になります。ただし、活動可能施設とその施設での活動可能団体数の関係がありますので、入学後それらの条件を示します。それをもとに設立されていない部活動については生徒のみなさんが自ら部を立ち上げることになります。勧誘してくれる先輩方がいないので第1期生がゼロからスタートさせ、部を創り上げていくことになります。
17.生徒会活動はどのように組織するのですか?
生徒会の核になってくれる人を募集し、生徒会顧問とともに規約・各種委員会設置・部活動承認等を進めていくことになります。
18.クラス単位の授業が少なくなると、活気がなくなるのではないでしょうか?
  世田谷地区単位制高校は、「進路希望を実現する学校」、「個性を伸ばす学校」を目指し、生徒が学習、部活動、学校行事などすべての教育活動に情熱をもって取り組む高校を創りたいと考えています。14、15で述べたように新入生には積極的に部活動、学校行事に参加してもらい、生徒の皆さんが充実した3年間を送れるよう十分に配慮していきたいと考えています。

このページのトップへ

Y 学校生活について・・・

19.通学方法はどのような経路・方法がありますか?
  徒歩、自転車、電車・バスなどの一般交通機関を利用してください。最寄り駅は京王線の千歳烏山駅で、駅から徒歩13分です。小田急線利用の場合は、祖師ヶ谷大蔵駅から約20分歩くか、千歳船橋駅又は成城学園前駅からバスの便があります。(オートバイによる通学は認められません。)
20.朝は何時までに登校するのですか?
 
8時30分登校の予定です。2年次から科目選択によりそれ以降となる場合もあります。
21.制服はありますか?
  中学生対象のアンケート調査に基づき、制服を採用することに決定しました。現役の高校生の意見も参  考にして、制服のデザインやネクタイ・リボン等の細かいところまで話し合って試作を重ねた結果、大変 魅力的な制服ができあがりました。学校説明会では実物をお見せすることができますので、楽しみにして いてください。
22.校則はどのようなものがありますか?
 
生徒の自主性を重んじ、生徒自らが善悪の判断ができるように継続的に指導することとし、校則は必要最小限のものにとどめようと考えています。
23.授業はバラバラで友達はできるのでしょうか?
 
18で述べたとおり、ホームルーム活動・部活動・学校行事に情熱を持って取り組む学校づくりを念頭に置いています。ただ机を並べる関係からではなく、意欲的に様々な活動に取り組む中でこそ、真の友情が芽生えるものと確信します。
24.成績や生活状況などは保護者にどのように連絡されますか?
 
単位制高校では多展開授業や自由選択科目が多くなるため、出席状況や成績をコンピュータにより一括管理します。この情報をもとに、本人並びに保護者の皆様に出席状況・成績について随時お知らせします。 また、必要に応じて三者面談を行います。
25.入学するためにどのくらいの費用がかかりますか、また入学後はどうですか?
 
全日制の都立高校は、入学料が5,650円、授業料が1年間で111,600円かかります(平成15年度)。入学料および授業料については、減免制度があります。また、生徒会費・PTA会費・副教材費・学校行事(遠足や修学旅行など)等の費用は年間100,000円程度が必要となります。この他に、制服、体育着、教科書代など実費が必要です。

このページのトップへ

Z 施設設備について・・・

26.新校舎の概要は?
 
校地面積は約27,620uで、施設は新校舎(教室棟・センター棟・体育館棟・プール棟)が平成15年2月完成予定です。(格技棟は千歳高等学校既存施設を改修します)延べ床面積は約14,400uとなります。グラウンド、テニスコート4面及び外構工事は平成15年度中に完成予定です。
27.新校舎の特色は?
  生徒が生き生きと活動できる魅力的なスペースを校舎内外に配置します。外部ではコート(中庭)・テラス・回廊ブリッジなど、内部には教室棟中央の大きな吹抜をもつオープンスペース・ラウンジが特徴的な施設です。また多展開授業・多くの選択科目に備え、8つの中講義室・4つの小講義室を用意しています。視聴覚ホールは電動格納座席付で250名収容できます。新校舎については学校案内に写真入りで紹介していますのでごらんください。
28.生徒のためにどのような設備が設けられていますか?
 
オープンスペース・ラウンジには自習用に大小のテーブルを用意しています。また図書室にも自習コーナーを設置しています。これらの机にはノートパソコン使用に配慮して全てコンセントを設置してあります。運動施設としてプール棟1階にトレーニングルーム、教室棟の売店コーナーなどが生徒のみなさんのための施設となります。

[ 最後に・・・

29.学校としてのセールスポイントは?
 単位制の特長を生かし、ひとりひとりの進路希望を実現するため、きめ細かな指導を行います。 また、人生においてもっとも輝かしい時代を、生き生きと情熱を持って過ごせる学校づくりを目指します。校舎もピカピカです。
30.どのような生徒に入学してほしいのですか?
  歴史はそこに生きる人々によって創られます。第1期生として、新しい学校で自主性・創造性を大いに発揮し、教職員とともに学校を創り上げていく中で自分自身も成長していけるような謙虚さを持った人に入学してほしいと思います。

世田谷地区単位制高校(仮称)についてのお問い合わせは下記開設準備室まで

世田谷地区単位制高校(仮称)開設準備室
〒154-0022 世田谷区梅丘 2−9−24
   (東京都立明正高等学校内)
  電   話 03−5799−9870   
  F A X  03−5799−9850

このページのトップへ